御坂くん、溺愛しないで。



「理玖!一体俺たちは何を見せつけられてんだ!?」
「先輩が怯えない理由はひとつだけですよ」


私はただ御坂くんに身を任せてじっとしていると、彼と男の人たちで話を再開していた。


「ひとつって理玖、もしかして木原咲ちゃんと…!?」

「他の人よりも特別な関係と言えば伝わるでしょうか。ね、先輩」

「へ…」


このまま御坂くんが助けてくれると安心しきっていると、何やら彼が良からぬことを言ったような気がして思わず顔を上げる。

すると御坂くんは首を傾け、ギャップのあるかわいい顔で私に回答を求めていた。


けれど少し待ってほしい、御坂くんは今何と言った?

異性間の“特別な関係”って、私だったら“恋人関係”だと思ってしまう。


そのためここで認めてしまったら、男の人たちにも恋人だと誤解が生まれるかもしれない。

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