御坂くん、溺愛しないで。




「なのでもう先輩には容易に近づかないでください。先輩をは怖がらせるようなことをすれば、俺も黙ってません」

「お、おお…まじかよ理玖……」

「確かにあの子が理玖に対して怯えてないことが全部表してるな」


待ってほしい。

私は何も言っていないというのに、どうして誤解が成立してしまうのだ。


慌てて解こうにも、男の人たちが怖くて口を挟めない。


「くそー、邪魔者は退散するか!」
「今日の放課後、ちゃんと話聞くから覚えとけよ理玖!」


そのため誤解してしまったまま、男の人たちは中庭を後にした。

真っ先に御坂くんに対して突っ込みたいところだが、恐怖心が完全に解けた私は足に力が入らずその場に崩れ落ちてしまいそうになる。


けれどその前に御坂くんの右手が腰に添えられ、私の体を支えてくれたため何とか崩れ落ちることはなかった。

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