御坂くん、溺愛しないで。
嫉妬?
私は御坂くんが女の子たちと話している様子を見て、嫉妬していたの?
もしそれが本当なら、私は……私は───
「……っ」
「先輩、どうしたんですか?」
「お、お腹空いた!
ご、ご、ご飯食べよう!」
「あ、はい…」
頭に浮かんだひとつの言葉をかき消すかのように大きな声を出し、またベンチに座ってお弁当箱を取り出す私。
その間もドキドキと胸がうるさく高鳴り、顔も熱くなっていくけれど。
気のせい、絶対に気のせい。
「先輩、そんなに急いで食べたら詰まりますよ」
「御坂くんも早く食べてください!」
「え…」
「ほら、早く」
今すぐこの場から逃げ出したい。
なかったことにしたい。
今日の出来事は全部、泡のように消えて欲しいと。