御坂くん、溺愛しないで。



「でも実は、充実感は得られてないんです」
「……え、どうして?」


御坂くんはバスケがしたくて入ったはずなのに、充実感が得られていないだなんて何かあったのだろうか。

ふと心配になった私は御坂くんに視線を向けたけれど、彼は穏やかに笑っていた。


「わがまま、言っていいですか?」
「わがまま…?」


私に頼みたいことがあるのだろうか。

もちろん御坂くんに悩みがあるのなら、それは力になりたいと思った。


そのため力強く頷けば、また御坂くんが口を開く。


「先輩との時間がもっとほしいです」
「……へ」


けれどそのわがままの内容は、予想を遥かに超えるもので。

私との時間って、どういうことかとわからなくなる。


「週に一回か二回しか会えないのは無理です、耐えられません」

「……っ、それ…」

私と同じ考えだ。
御坂くんも同じように考えてくれていたの?

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