御坂くん、溺愛しないで。
「お、落ち着いて咲!もう私たちは小さな子供じゃないんだし大丈夫だよ!」
半泣きになっている私を見て慌てた様子の琴葉。
本当に申し訳ないけれど、中々涙は引っ込んでくれない。
「昔とは違うの。
咲は過去を引きずりすぎだよ」
「うう…」
「どれだけ周りに気を遣っても、些細なことで嫉妬されることもあるの。それに怯えてどうするの?
大丈夫、私は絶対に咲の味方だから」
そう言って優しく笑いかけてくれる琴葉は本当に優しい幼なじみである。
こんなにもビビリで小心者の私を、元気付けようとしてくれるのだ。
気づけば涙は引っ込んでいて、ここで逃げてはならないと思わせてくれた琴葉。