御坂くん、溺愛しないで。




会場は真司くんの高校らしく、私は一回戦と同様に琴葉と応援に行く。


「ついにこの日が来たね、咲。
理玖のリベンジの日だよ」

「うん…!御坂くん、この日のためにずっと頑張ってたもん」


試合前は朝練習だけでなく昼練習も行っていたようで、筧くんもとてもしんどそうだった。


「これで真司も変わればいいなぁ。
理玖、本当にいいやつだね」

「うん、優しいし素敵な人だよ」


私にはもったいないくらいに。



「咲も変わったね」
「えっ…?」

「前までは周りを怖がってばかりいたけど、今は強くなった。一生懸命理玖を応援して、寄り添って。

周りにも恐れず堂々と歩けるようになったし」


言われてみればそうかもしれない。

前までは周りの視線ばかり気にして、男の人を怖がって。


ずっと琴葉にくっついてばかりいた。

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