御坂くん、溺愛しないで。
「あ、高校見えてきたよ」
「本当だ。大きいし綺麗ね」
確かまだ創立して間もないと言っていた気がする。
スポーツにも力を入れているようで、ここ数年多くのスポーツで名を挙げているみたいだ。
中に入るとすぐ看板が立っており、バスケ部の試合会場の案内が書かれていた。
その案内通りに行くとすぐ体育館に着くことができ、すでに一試合目の試合が始まっていた。
御坂くんが出場する試合は二試合目。
そのためまだ時間はあるけれど、先にギャラリーで待っていようとしたその時。
「琴葉!木原ちゃん!」
少し遠くから私たちの名前を呼ぶ筧くんの声が聞こえてきて、ふたり同時に振り向く。
すると白いユニフォーム姿の筧くんが私たちの元へと駆け寄ってきた。