御坂くん、溺愛しないで。



「今日も応援ありがとな!」

「まあ今日は勝ってもらわないといけない試合だからね」


筧くんの嬉しそうな笑顔に対し、琴葉は少し照れくさそうにしている。


「あっ、木原ちゃん。今外でアップしてたんだけど、ちょうど休憩時間になったから理玖のところ行ってあげてくれないか?」

「え、あ、うん…」

「今理玖、緊張のあまりうまく体を動かせねぇみたいだからほぐしてやってくれないか?」

「え…!それは大変だ」


せっかくの大事な試合だ、ほどよい緊張は良いっていうけれど、体が強張るほどの緊張は良くない。

そのため慌てて筧くんに伝えられた場所へと向かう。


そこはバスケットゴールも設置されている芝生の広場で、隅のほうに固まって休憩している私たちの高校のバスケ部員が見えた。

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