御坂くん、溺愛しないで。



「体が強張るほどの緊張はしてません」


御坂くんは素直に話してしまう。

途端に恥ずかしくなった私は、顔が熱くなりその場から逃げ出したくなる。


「あ、えと…私、ちょっと頭冷やしてきます!」

結局私は本当に逃げ出すという決断に至った。



ただここの高校は初めて来るため、あまり場所とかを把握していない私。

結果、この広い高校で迷子に近い状態になってしまった。


「あれ、また違う体育館だ…」

違う体育館に着くのはこれで二回目。
ここの高校はいくつ体育館があるというのだ。


「じゃあそろそろ行くか」
「そうだな」


その時ふと、間違えてきた体育館の扉が開く音がして。

さらに体育館の中から練習着姿の男の人がぞろぞろと出てきた。

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