御坂くん、溺愛しないで。



「あれ、入り口前に誰かいるぞ」
「本当だ、もしかして誰かの彼女か!?」


私が慌てているうちに、最初に出てきた男の人の視界に私が映ってしまい、騒がれてしまう。



「すっげぇかわいい!
え、誰の彼女!?」

「おーい、このかわいい子の彼氏は誰だ!
今すぐしめてやる!」


それが原因でだんだん私の周りを男の人たちで囲われてしまい、いくら慣れてきたとはいえ、さすがのこれにはビビってしまう私。


この状況をどう切り抜けるかと考えていると───


「……あっ」

体育館の扉から、以前に見たことのある男の人が出てきた。


その男の人とは、間違いなく御坂くんと色々あった相手である真司くんで。

この状況に屈した私は、半泣きになりながら真司くんに“助けて”と視線で訴える。


ここは少しでも御坂くんと知り合いである人に頼るしかない。

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