御坂くん、溺愛しないで。
「そう言われると俄然やる気が出ま……あっ」
真司くんが何かを言いかけたその時。
私の後ろを見て、何やら反応を示した。
「木原先輩!」
間もなくして、私の後ろから御坂くんの声が聞こえてきた。
「探しにきてくれたみたいですね」
「本当だ」
振り返ると、少し焦った表情で私の元へと向かっている御坂くんがいた。
「あ、いいこと考えた」
「真司くん?」
「先輩、手の甲を上にして俺に差し出してください」
「……?」
よくわからなかったけれど、真司くんの言う通り手の甲を上にして手を差し出す。
すると───
「理玖の反応が楽しみですね」
「えっ…」
ボソッと呟いた真司くんに聞き返す間もなく、彼は私の手の甲にチュッとキスを落とした。