御坂くん、溺愛しないで。



「先輩」
「どうしたの?」

「俺、頑張りました」


けれどいつも自分を褒めないタイプの御坂くんが、今日は頑張った子ど認めて嬉しそうに笑っていた。

きっとそれほどの努力を積み重ねてきたのだ。



「うん、御坂くんすごくかっこよかった…!」

「本当ですか?嬉しいです。
でも先輩、今のだけじゃ足りないです」

「え…」


足りないと言われるのは初めてで、素直に戸惑ってしまう私。

御坂くんはもっと褒めて欲しいということだろうか。


「だからとりあえず帰りましょう」
「え、帰る…?」

「はい。それから先輩の時間、少しだけ俺にください」


終始嬉しそうに笑い、少年のような顔をする御坂くん。

かわいくていちいちときめいてしまう。

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