御坂くん、溺愛しないで。



自惚れるな、と自分に言い聞かせるけれど。

御坂くんが恥ずかしそうにしているから、確信へと近づいてしまう。



「気になってました」
「……っ」

「中学の時から、先輩のことが。だから迷わず受け入れたんです。“先輩の男嫌い克服に協力してくれ”と琴葉さんから連絡がきた時、もっと知れるチャンスだと思いました」


知らない、そんなの私は知らなかった。
ドキドキと鼓動が速まり、頬にも熱が帯びていく。

さらに熱い頬を御坂くんの指が撫でてくるから、余計に恥ずかしさが増す。


「知れば知るほど、先輩は俺の想像以上に純粋で、優しくて眩しくて。それからどうしようもなくかわいくて。好きになるのに時間はかかりませんでした」

こんな形で“好き”と言われるとは思っておらず、胸の高鳴りが最高潮になってしまう。

ある意味倒れてしまいそうだ。

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