御坂くん、溺愛しないで。




「先輩」
「は、はい…」

上ずってしまう声。
見つめ返すので精一杯。


「好きです。
俺の彼女になってくれますか」

「……っ、御坂くん…私も好きです。
御坂くんの彼女になりたい…!」


こんなこと、恥ずかしくて一生言えないんじゃないかと思うけれど。

“好き”と言葉にして、御坂くんの彼女になりたい意思を伝えた。


私も好き、御坂くんのこと。

真面目で誠実で、苦しみながらもバスケと向き合ってかっこいい。


笑うと幼くなって、拗ねるとかわいくて。

たまに見せるギャップのある表情に何度心臓がやられそうになったことか。


「……っ、先輩」
「なんですか」

「嬉しくて叫びたくなります」
「変な人になっちゃうよ?」


珍しく余裕のない御坂くん。

多分今の私も顔が真っ赤だろうけれど、御坂くんも引けを取らないくらいに照れている様子。

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