御坂くん、溺愛しないで。
「もー、自覚なしなくせに人の感情を読むのはうまいんだから。多くの男子から好意寄せられてるのはわかってるんでしょ?」
「うっ…」
確かに男の人の好意を感じ取るのは得意になってしまった。
好意を感じた時点で、避けることに専念するためだ。
避けられていることに気づいた男の人は、大抵私を諦めてくれる。
その中にはもちろん迫ってくる人もいて。
最後にはいつも琴葉に助けられるのだ。
今では一切男の人との関わりはなくなり、“極度の男嫌い”ということがクラスだけでなく学年にも認知されているらしい。
それは琴葉ちゃん情報だけれど。
その結果、私は男の人と喋ることはおろか、目すら合わせられなくなってしまった。