御坂くん、溺愛しないで。
そして今日もまた私は、電車の中で琴葉にお世話になるのである。
帰りは人が少ないからまだ大丈夫だけれど、行きはもう地獄だ。
他の男の人と触れ合うのが怖くて、目を合わせるのすら怖くて。
琴葉にぎゅーっとくっつくことが多い。
そんな琴葉は私のことをわかってくれているため、なるべく男の人がいないであろう場所に私を置き、気を遣ってくれている。
それは今日も同じで、わざわざ周りに男の人がいない場所まで誘導してくれた。
「ねぇ、咲」
「どうしたの?」
「結構真面目に思ったんだけどさ、この生活いつまで続けるつもり?」
「……え?」
突然真剣なトーンへ変わる琴葉。
けれど言葉の意味が理解できない。