御坂くん、溺愛しないで。
意地悪だ。
幼なじみである私を放置するだなんて。
「ごめんね理玖、昨日は咲が色々やらかして」
「俺は別に気にしてないです」
「もー、理玖ってば本当優しいんだから。
たまにはガツンと言っていいのよ?
『そんなんだといつまで経っても克服できませんよ』ってね」
そう言ってチラッと私を見てくる琴葉。
“早くこっちに来い”という意味を込められているのだろうけれど、ブンブン首を横に振る。
私だって行きたいけれど、簡単じゃない。
どうしてなのだ。
昨日の最後は平気だったというのに。
「咲、本当に無理になってるわけ?」
「……えっ」
そのような私の様子を見て、呆れた表情の琴葉。
一方で御坂くんは琴葉の言ったことに驚き、目を見張っていた。