御坂くん、溺愛しないで。
御坂くんは私の反応を見て、少し離れたところからでもわかるくらい落ち込んだように俯いていた。
「ご、ごめんなさい…」
「謝るならこっちに来てください」
今度はムッとしながら言葉を返される。
まさにその通りだ。
けれどどうしてだろう。
御坂くんはムッとしているはずなのに、拗ねているようにも感じられて。
少し子供っぽくてかわいい表情だな、と思ったり思わなかったり。
意外と感情表現が豊かな人らしい。
「……あ、そうだ」
その時御坂くんが何かを思い出したような顔をしたかと思うと、自分の鞄を探り始めた。
「御坂くん…?」
一定の距離を保ちながら彼の名前を呼べば、何やらコンビニの小さな袋を取り出した。