御坂くん、溺愛しないで。



「御坂くんも一緒に食べよう」


御坂くんからもらったというのに、ひとりで食べるのは申し訳ない。

それなら共有したいと思った。


「私のためにありがとう」

お礼を言い、個装されたチョコを三つほど御坂くんに差し出した。


「えっ、こんなに俺がもらったら先輩の分がなくなりますよ」

「御坂くんと分けるの」


私がそう言えば、わかってくれたのか御坂くんが受け取ってくれた。


「ありがとうございます」
「私のほうこそありがとう」

「もうたくさんお礼言われましたよ」
「だって御坂くんには感謝しかないもん」


昨日からずっと、感謝の気持ちでいっぱいである。


「昨日、たくさん迷惑かけたのに…嫌だってならなかったの?」


気になったから聞いてみる。
今日もどうして来てくれたのか。

昨日の私に呆れて嫌になってもおかしくない。

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