御坂くん、溺愛しないで。




「わかってる?
もう高校二年生なんだよ私たち」

「そんなのわかってるよ」


当たり前だ。
今日、始業式があってクラス発表されるというのに。


「はぁー、全然わかってない。いい?これからも私がずっとそばにいると思わないでよ?」

「へ…」


琴葉は今なんて言った?
軽く私を拒否するような、そんな言い方で。


「あっ、こら。
泣きそうにならない!ここ電車!」

「だって、琴葉が…」


嫌だ。
琴葉なしで私はどう生きていけばいいのだ。


「将来は別々の道に行くでしょ?それなのに男子と目すら合わせられないだなんて、この先どうするの?」

「それは…」


確かに琴葉の言う通りである。

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