御坂くん、溺愛しないで。



「本気で言ってる?」
「うん、そうだよ」

「理玖が咲のためにこれを買った?」
「そうみたいで…嬉しいなって」


自分でもわかるくらいにこにこしていると、琴葉が突然笑い出した。


「あははっ、何理玖かわいい!あんな硬派なクールイケメンがこれ買うところ見たかった!

本当に理玖ってかわいいでしょ?真っ直ぐな男だからねぇ…ぶふっ、やばいからかいたくなってきた」


さすがに笑いすぎだとは思ったけれど、琴葉は笑いを堪えきれておらず。

自分の後輩だからということもあってか、意地悪な発想をし始めた。


「もー、やめてよね。御坂くんはそんな恥ずかしい思いして買ってくれたんだから」

「あんな素敵な男、他にいないでしょ?
やっぱり理玖に頼んで正解ね」


それはわかるかもしれない。

初めは怖いと思っていたけれど、御坂くんを知るたび恐怖心は無くなっていったのだから。

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