御坂くん、溺愛しないで。
そんな御坂くんと一緒にいるところを見られてしまったら?
そう考えると怖くなって、お菓子を作る手が止まってしまった。
「……っ、忘れて、た」
大事なことをすっかり忘れていた。
御坂くんと話せたとしても、女の子たちの嫉妬を買ってしまうかもしれない。
もしそれで呼び出しでも食らったりしたら。
またヒソヒソ陰口を言われてしまったりしたら。
やっぱり私は御坂くんと一緒にいるべきでないと、ここに来てマイナスに考えてしまう。
けれどとりあえずお菓子を作り始めてしまったため、最後まで作ろうと思った。
その間にも御坂くんにお菓子を渡すべきか渡さないべきかと悩み、作り終わった後も答えが出ることはなかった。