御坂くん、溺愛しないで。
「うーん…」
パウンドケーキを作り、均等な大きさに切ってラッピングした後もウジウジ悩んでいた私。
「ダメだ、わからない!」
最後には考えることを放棄し、ラッピングされたパウンドケーキをテーブルの上に置いてソファにうつ伏せで寝転がった。
ひとりで考えても答えはでないため、テーブルの端に置いてあるスマホに手を伸ばす。
いくつか画面をタッチ操作をし、琴葉に電話をかけることにした。
数回のコールの後、琴葉の声がスマホ越しに聞こえてきた。
『はーい、どうしたの?』
「こ、琴葉!あのね…」
あまり長く電話しても迷惑だろうと思い、私は今悩んでいることをすべて話した。
『なるほどね』
私の話を一切口出しせずに黙って聞いてくれた琴葉は、ひと言そう口にした。