恋の駆け引き~イケメンDr.は新人秘書を手放せない~
まあ座れと椅子を出され、俺も腰を下ろした。

「自分一人で抱え込むのはよくないから、主張すべきことはきちんと主張しなさいと言った。社会人として自覚を持てと説教した」
それは・・・上司として当然の指摘に思えるが。

「それだけか?」
「それと・・・お前のことをどう思っているのかって聞いた」
「で、あいつは?」
「上司でしかないと。でも、辛そうだった。瞳のことを話したら、泣きそうな顔をしていた」

なんで、そんなこと。
あいつだって苦しんでいたはずなのに、
「何で、苦しむようなことを」
「お前がはっきりしないからだろう」
えっ。

「彼女はずっと中途半端なままだったじゃないかっ」
何年かぶりに、武弘の厳しい声を聞いた
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