恋の駆け引き~イケメンDr.は新人秘書を手放せない~
「これからは僕が彼女を守っていきます。僕に茉穂さんをいただけないでしょうか?」
まだ本人の了解も取っていないのに、俺は何をしているんだ。

しかし、
「ああ」
言葉少ない返事。

頭を上げた俺の目に、お父さんの涙が見えた気がする。

「茉穂。言いたいことはたくさんあるけれど、できれば今日のうちに帰りたい。俺は仕事を放り出してきてしまったんだよ。一緒に、帰ってくれないか」
・・・。
茉穂が、コクンと頷いた。

「皆川さん、茉穂をよろしくお願いします」
両手をついて、頭を下げるお父さん。

「いたらない娘ですが、よろしくお願いします」
お母さんは泣いている。

「ご安心ください。僕が責任を持って大切にします」

もう、誰にも渡さない。
俺だけの茉穂だ。
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