恋の駆け引き~イケメンDr.は新人秘書を手放せない~
次に目が覚めると、朝日が差し込んでいた。

ん?
何時だろう。
体を起こそうとして、
「うぅっ」
全身の倦怠感。

「どうした?まだ、6時だぞ」
耳元で聞こえたボスの声に、ビクンと反応してしまった。

そうか、私はボスと・・・

「起きれるか?」
「うん。大丈・・・じゃ、ない」
力が入らない。
「馬鹿だなあ」
何もなかったかのようにベットから起き出したボスが、私の膝と背中に手をかけて抱き上げた。
ちょ、チョット。
「ジッとしてろ」

そのまま寝室を出て、ソファーに降ろされた。


「今日、休む?」
「え、私、退職届を」
「ああ、破いて捨てた」
はあぁ?
「無断欠勤になってるから、自分で謝るんだな」
「そんな・・」.
「大体、退職は1ヶ月前に連絡って常識だと思うぞ」
まあ、それはそうなんだけれど。
私にだって事情があったわけで。

「で、どうするの?今日は休む?」
「いえ、行きます」
帰ってきたからには、もう逃出さない。
すべてをあるがままに受け入れよう。

「じゃあ、何か食おう」
「私作ります」
「バーカ、動けないだろう」
確かに。
「トーストとコーヒーで我慢しろ」
1人キッチンに向かっていくボス。

ボスに食事の支度をしてもらうのって初めて。
なんだか新鮮だな。
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