恋の駆け引き~イケメンDr.は新人秘書を手放せない~
ピンポン。
玄関のチャイム。

ボスが出て行き、一緒に課長が入ってきた。

「大変だったね」
「ご迷惑かけてすみません」
「そんなこと、気になくていいから」
課長はいつも通り優しい。

「これ、パンと、弁当と、つまみに、デザートとビール」
うわ、すべて高級スーパーの物。
「多めに買ったから、好きなものを食べて。で、今夜はここに泊るの?」
「いえ、近くのホテルを・・」
「泊める。怪我もしているし」
それって私が決めることでは・・・

「でも、女の子なんだから」
「大丈夫だ。なあ?」
って聞かれれば、
「はい」としか答えられないじゃない。

「僕も泊ろうか」
課長が気を遣っている。
「大丈夫です。お部屋もたくさんあるみたいですし、仕事も届けてもらったし」
「本当に、いいの?」
「はい」
実は、仕事をこなせるのが密かにうれしい。
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