恋の駆け引き~イケメンDr.は新人秘書を手放せない~
一緒にいれば、情だって移ります。

お局様の意地悪

ハラハラドキドキしながらのボスとの同居。
どれだけ大変かと心配したけれど、不思議なくらい順調に時間が過ぎていった。

仕事を家に持ち帰れるようになり、勤務時間内はボスの秘書業務だけに専念できるようになった。
お陰で、ボスの機嫌もすこぶる良好。

それに、一緒に暮らすうちに好みも把握できるようになり、多少機嫌が悪いときには好きなメニューを出したりして、ボスの機嫌を直すことだってできるようになった。

「今日は夕方から秘書課のミーティングだったよな」
周りに誰もいないことを確認し、今夜の予定を聞いてくるボス。

「ええ。少し遅くなると思います」
「俺は、7時くらいかな」
ああ、今日は会議の予定もなかったはず。
「じゃあ、私が後になりますね。一応、チキンカレーを作って出ましたが・・・」
「待つよ」
いや、待たなくても。
「どうぞ、先に食べてください」
待たせるのも申し訳ないから。
「いや、待ってる。だから、早めにきりあげて帰ってこい」
そんな無茶な。
新人の私にそんな力はないし、上司であるボスが早く切り上げろなんて言っていいの?

「遅くなりそうなら、迎えに行くぞ」
「け、結構です」
街中の歩いて20分の距離、どこに迎えが必要なんですか。

「まあ、遅くなりそうなら連絡しろ」
「はい」
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