恋の駆け引き~イケメンDr.は新人秘書を手放せない~
ゴホゴホ。
病院に着いても、体調不良は変わらない。
「本当に大丈夫か?」
眉間に皺を寄せながら、見下ろすボス。


今朝。
普段歩いて通勤する私は、
「じゃあ、先に行きますね」
いつものように玄関を出ようとした。

しかし、
「待って」
と、腕を取られてしまった。

??

「送って行く」
「え、いいですよ」
もし先輩達に見られたら、それこそ大騒ぎ。
これ以上立場を悪くしたくない。

それでも、
「いくぞ」と、手をひかれる。
「やめてください。噂になったら困ります」
精一杯抗議したのに
「イヤなら、休むか?」
はあ?

「もう、いいです」
文句を言うのもあきらめた。
いくら言っても無駄だから。
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