恋の駆け引き~イケメンDr.は新人秘書を手放せない~
「馬鹿、ジッとしてろ」
ボスに抱え上げられた。

やめて、お姫様だっこなんて恥ずかしすぎる。
その後、抵抗もむなしく執務室のソファーに寝かされた。


「どこが痛い?」
「頭と体」
でも、一番弱っているのは心かも。

「水分は?」
「少しずつ飲めます」

「最後の食事は?」
「朝、ご飯」
「昼は?」
「・・・」
「お前、いい加減にしろよ。怒らせるのはお前の行動のせいだと思うぞ」
「すみません」
確かにその通りです。

その時、
トントン。

「何があったんですか?」
返事も待たずにドアが開いた。

そこに立っていたのは、総務課長。

「呼んでないぞ」
不機嫌なボス。
「副院長室から怒鳴り声が聞こえるって、連絡がありました」
「ああ、すみません」
とっさに起き上がろうとして、

「いいから寝てろ」
肩を押さえられた。
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