恋の駆け引き~イケメンDr.は新人秘書を手放せない~
その日1日、穏やかに過ごした。
ボスは一週間分の残務で院内を飛び回り、私は淡々と仕事をかたづけていった。
大きな会議やミーティング、カンファレンスもあったはずなのに、夕方には一通りのけりがついたようで、
「はー、疲れた。並木くん、コーヒー入れて」
副院長室に帰ってくるなりコーヒーのリクエストをするボス。
「落ち着きましたか?」
「ああ」
疲れた表情は浮かべたものの、ホッとしたようにコーヒーに手を伸ばす。
なんだかんだ言って、ボスは優秀だ。
時間の配分がうまくて、今何をすべきかが瞬時に判断できる。
物事の優先順位が分っているから、効率的で無駄がない。
医者になっていなくても、優秀な社会人だったはず。
かえって医者でいることがもったいない気さえする。
そもそも医者って人たちは、頭が良くて、お金持ちで、チヤホヤされることになれている。
ぶっちゃけわがままな人が多い。
みんなとは言わないけれど、医者っていう環境がそうさせてしまうんだとも思う。
その分、人を気遣うとかサポートするとか、日常生活における雑務が苦手。
でも、ボスはちょっと違う。
「ん?何?」
ボーッと見つめていた私に視線に気づき、声をかけられてしまった。
「いえ、残業になるかと思ってましたのに、仕事が早いなあと」
「まあね。久しぶりに、家で夕食を食べたいから頑張った」
ヤダ、その笑顔。
私の方が照れてしまう。
ボスは一週間分の残務で院内を飛び回り、私は淡々と仕事をかたづけていった。
大きな会議やミーティング、カンファレンスもあったはずなのに、夕方には一通りのけりがついたようで、
「はー、疲れた。並木くん、コーヒー入れて」
副院長室に帰ってくるなりコーヒーのリクエストをするボス。
「落ち着きましたか?」
「ああ」
疲れた表情は浮かべたものの、ホッとしたようにコーヒーに手を伸ばす。
なんだかんだ言って、ボスは優秀だ。
時間の配分がうまくて、今何をすべきかが瞬時に判断できる。
物事の優先順位が分っているから、効率的で無駄がない。
医者になっていなくても、優秀な社会人だったはず。
かえって医者でいることがもったいない気さえする。
そもそも医者って人たちは、頭が良くて、お金持ちで、チヤホヤされることになれている。
ぶっちゃけわがままな人が多い。
みんなとは言わないけれど、医者っていう環境がそうさせてしまうんだとも思う。
その分、人を気遣うとかサポートするとか、日常生活における雑務が苦手。
でも、ボスはちょっと違う。
「ん?何?」
ボーッと見つめていた私に視線に気づき、声をかけられてしまった。
「いえ、残業になるかと思ってましたのに、仕事が早いなあと」
「まあね。久しぶりに、家で夕食を食べたいから頑張った」
ヤダ、その笑顔。
私の方が照れてしまう。