恋の駆け引き~イケメンDr.は新人秘書を手放せない~

飲み会

その日の夕方。


「すみません、お先に失礼します」
きっと仕事は終わっているはずなのに帰ろうとしないボスに、声をかけてみた。

「場所はどこ?」

えっ?

「どこの店?」
えーっと、
「なんで聞くんですか?」
必要ないと思うけれど。
「遅くなったら心配じゃないか」
当然のように言うけれど、おかしいから。

「朝帰りした人が言っても説得力ありません」
「それは・・・」
反論できるならしてみてください。

「俺は仕事だし」
うわー、すごい悪あがき。

「もういいですから、帰ってください」
仕事は終わったはずですよね。

「夕飯は?」
「冷蔵庫にあるもので済ませるか、食べて帰るかしてください」
「えー」
なんだかすごく不満そう。

でもね、冷蔵庫には結構常備菜が入っているし、近くにはスーパーもコンビニも、飲食店だって多い。

それに、
「私、家政婦じゃありませんし」

結局、ボスは黙ってしまった。
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