素直になれたら
心菜(鬼~!!鬼~っ!!
『おつかれさま』、とか、『気をつけて』とか、そういう言葉は出ないのだろうか。
平井さん、連日ほぼほぼ終電なの、相田さんだって知ってるだろうに)
恨めしげに相田を見る心菜。
視線に気づいた相田、心菜を見る。
心菜、ギクッとした表情で慌ててパソコンに目線を移す。
心菜(やばいやばいやばいやばい・・・)
相田「井藤!何度よそ見してるんだ!!おまえにそんな暇なんてねえだろが!!」
心菜「は、はいっ・・・!」
心菜、慌てて資料を見ながらキーボードをたたく。
恐怖で涙目になっていく。
心菜(鬼~!鬼~っ!!もう、嫌~・・・!!)
制作部で働く人々の様子。
心菜(制作部の今年の新人は、中途採用の私を含めて二人だけ。
相田さんは、「とにかくはじめが肝心だ」と、新人教育には特に力を入れていて、私ともう一人の新人、真生子ちゃんには特に厳しい。
いや、厳しかった、が正しいね・・・)
心菜、部屋の片隅で、カメラ機材を男性スタッフに笑顔で引き渡している滝山真生子(たきやままおこ・20)に視線を向ける。
小柄で可愛らしい顔立ち。ゆるふわパーマのモテ系女子の真生子。
男性スタッフはデレデレとした様子。
心菜はため息をつく。
心菜(真生子ちゃん、『お願いしまーす!』って、大変な仕事はかわいく男の人に頼めちゃうし。
頼めないときは、『できません』って泣いちゃうからなあ・・・。
相田さんは、真生子ちゃんがかなり苦手なようだった。
鬼と言われる相田さんも、真生子ちゃんのような女の子に泣かれるのはさすがに胸が痛むらしい。
私がいくら泣きそうになっても、全く動じないけどね!!
・・・そんなわけで、最近は、相田さんは大変な仕事は最初から真生子ちゃんに頼まない。
『なんであいつは制作部希望で入ってきたんだ・・・』って、やや諦めモードでぼやきながら。
そんなこんなで。
相田さんの厳しい新人指導を受けているのは、現在私一人だけ。
私だって、『できません』って言いたくなることはあるけれど、真生子ちゃんのようにかわいくなんて言えないし、職場の状況と相田さんへの恐怖から、そんな言葉は発せない。
『おつかれさま』、とか、『気をつけて』とか、そういう言葉は出ないのだろうか。
平井さん、連日ほぼほぼ終電なの、相田さんだって知ってるだろうに)
恨めしげに相田を見る心菜。
視線に気づいた相田、心菜を見る。
心菜、ギクッとした表情で慌ててパソコンに目線を移す。
心菜(やばいやばいやばいやばい・・・)
相田「井藤!何度よそ見してるんだ!!おまえにそんな暇なんてねえだろが!!」
心菜「は、はいっ・・・!」
心菜、慌てて資料を見ながらキーボードをたたく。
恐怖で涙目になっていく。
心菜(鬼~!鬼~っ!!もう、嫌~・・・!!)
制作部で働く人々の様子。
心菜(制作部の今年の新人は、中途採用の私を含めて二人だけ。
相田さんは、「とにかくはじめが肝心だ」と、新人教育には特に力を入れていて、私ともう一人の新人、真生子ちゃんには特に厳しい。
いや、厳しかった、が正しいね・・・)
心菜、部屋の片隅で、カメラ機材を男性スタッフに笑顔で引き渡している滝山真生子(たきやままおこ・20)に視線を向ける。
小柄で可愛らしい顔立ち。ゆるふわパーマのモテ系女子の真生子。
男性スタッフはデレデレとした様子。
心菜はため息をつく。
心菜(真生子ちゃん、『お願いしまーす!』って、大変な仕事はかわいく男の人に頼めちゃうし。
頼めないときは、『できません』って泣いちゃうからなあ・・・。
相田さんは、真生子ちゃんがかなり苦手なようだった。
鬼と言われる相田さんも、真生子ちゃんのような女の子に泣かれるのはさすがに胸が痛むらしい。
私がいくら泣きそうになっても、全く動じないけどね!!
・・・そんなわけで、最近は、相田さんは大変な仕事は最初から真生子ちゃんに頼まない。
『なんであいつは制作部希望で入ってきたんだ・・・』って、やや諦めモードでぼやきながら。
そんなこんなで。
相田さんの厳しい新人指導を受けているのは、現在私一人だけ。
私だって、『できません』って言いたくなることはあるけれど、真生子ちゃんのようにかわいくなんて言えないし、職場の状況と相田さんへの恐怖から、そんな言葉は発せない。