素直になれたら
○新幹線・指定席車内

心菜、すやすやと息を立てて眠っている。
腕を組み、無表情で隣の心菜を見ている相田。冷ややかな表情。
  
相田「・・・」

車内アナウンス「まもなく、品川に到着します」

相田「・・・」

相田はため息をつくと、心菜に向かって、

相田「おい」

心菜「ZZZ・・・」

相田「おい、井藤」

心菜「ん-・・・」

相田、心菜の身体を揺さぶる。

相田「井藤、起きろ!次品川で、その後すぐに東京だ」

心菜「・・・んー・・・・・・。んー・・・・・・ん?」

左右に身体を揺らした後、パチッと目を開ける心菜。
目の前には相田の怒り顔。
はっとする心菜。ガバッ!と身体を起こす。

心菜「も、ももももも申し訳ありません・・・!!」

青ざめる心菜。
相田、あきれたようにため息をつき、

相田「いいから。早く支度しろ!」

心菜「は、はいっ!!!」

心菜(ええー・・・!!私、いつ寝ちゃったの!?)

大慌てで支度をする心菜。支度を整えた後、ほっと安堵の息をつく。
相田はあきれ顔。

相田「寝坊しといて、またよくこんなにぐっすり寝れるな」

心菜「す、すみません・・・」

心菜は身体を小さくする。

相田「大口開けて寝てたぞ」

心菜「!?」

心菜(は、恥ずかしい・・・。すっぴんは披露しちゃうし、そんなとこも見られていたとは・・・)

顔を赤くする心菜。誤魔化すように、

心菜「相田さんは、よく起きられましたね・・・」

相田「当たり前だ。新横浜あたりで起きれるようにタイマーセットしといたからな」

心菜(そ、そうだったんだ・・・)
< 19 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop