素直になれたら
○東京スターライトテレビ・外観
 
白く大きな建物。壁には「TOKYO STAR LIGHT TV」の文字。

○東京スターライトテレビ・制作部・中

大勢の人々が働く社内。
様々な機器が置いてある。
大柄でにこやかな男性、日下部篤(36)が心菜と相田の前に立っている。

日下部「どうも。スターライトの制作部でアシスタントディレクターをやっております日下部です。三日間よろしくお願いします」

相田・心菜「よろしくお願いします」

頭を下げる二人。相田は真面目で落ち着いた顔。心菜は緊張の面持ち。
日下部、「うんうん」と頷く。

日下部「相田さんは、新人さんの代理だとかで。本当はもうベテランなんですよね。いや~、『うちより全然ダメだ』とかって、思われないようにしないとなあ」

ワハハ、と笑う日下部。嫌みではなく、場を和ませてくれるような雰囲気。
心菜もつられて笑顔になる。
相田は、穏やかだが真面目な表情。

相田「いえ。うちは小さな局なので。もう、なにもかもが全然違って。教わることしかないですよ」

辺りを見渡す相田。表情は真剣だ。

日下部「いえいえ。こちらも学ばせていただくこともあると思いますからね。では早速、始めましょうか」

制作部で働く人々の様子を一通り紹介された後、使用している機材の説明を受ける心菜と相田。
必死でメモをとる心菜。
相田は、興味深そうに機材について詳しく説明を受けていた。

心菜(怒鳴ってないで、静かに教えを受けてる相田さん・・・。新鮮)

相田を見る心菜。
真剣な横顔に、少しだけ目を引きつけられる。

心菜(・・・怒鳴ってなければ、まあまあかっこいいのになあ・・・)

相田を眺める心菜。
しばらくした後「はっ!」とする。
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