素直になれたら
相田「なんだその顔」

心菜「え・・・いや、だって・・・。相田さんが褒めてくれるだなんて。なんか・・・嘘っていうか、どうかしちゃったのかなって思って」

相田「はあ?なんだそれ・・・」

不満そうにビールを飲む相田。
心菜はまだ呆然としている。

相田「オレだってたまには褒める」

心菜「たまに・・・」

心菜(ほんとに、「たまに」すぎるでしょう・・・。
けど、じゃあ、やっぱり本当に褒めてくれてたの?
酔っ払っておかしくなってる・・・とかじゃないよね)

心菜、チラリと相田のことを見る。
相田は平然とした顔。

心菜(多分、全然酔ってない。

もしも酔っているのなら、その方がいいような気がしてしまった。
だって、相田さんが私のことを褒めるだなんて、なんだかとても落ち着かない)

気持ちを誤魔化すように、ウーロン茶をグイグイ飲む心菜。
相田は笑う。

相田「ほんとは普通に飲めたよな。明日のこと考えてのウーロン茶か」

心菜「も、もちろん!」

心菜(相田さんほど強くはないし。
それに、何度も言うけど疲れてるし食欲は基本ないんです!!

・・・って、直接はもう言う元気も勇気もないけれど。

相田さんて、ほんとにマイペースだな。
明日の夜ならまだしも、今日飲みに行くって、普通そんな元気ない・・・。
っていうか、一回断ったら納得してほしいんだけど!!)

心の中でブツブツ呟く心菜を、相田は意味深に見つめる。
しばらくそのまま見つめた後で、

相田「じゃあ、明日、もう一度ここ飲みに来るか」

心菜「・・・えっ!?」

心菜(あああ明日も!?あなたと!?)

青ざめて驚く心菜。
相田は平然と話を続ける。  
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