素直になれたら
相田「明後日は午前だけだし。明日の夜なら問題ないだろ」

心菜「え、え、あの、でも」

相田「おまえはいつも頑張ってるし、なんか、美味いもん食わせたいって思ったんだよ。疲れてんなら尚更とかって思ったけど。やっぱ、酒と一緒の方が美味いよな」

心菜「え・・・」

呆然とする心菜。
相田は平然としたままビールを飲む。

心菜(ま、待って。ここに私を連れてきたのって、相田さんのただの自分勝手じゃないの???
『頑張ってるから』??『美味いもん食わせたい』??
私に?)

驚きながら、複雑な表情で相田を見る心菜。
相田は店員を呼び止めてもう一杯ビールを注文すると、心菜に向かって、

相田「おまえも。ウーロン茶でいいからもう一杯付き合え」

心菜「え?あ、でも、まだちょっと残ってるし、私もうお腹タプタプで・・・」

相田「いいから。飲め。すいません、ウーロン茶も」

店員「あ、はーい」

店員は、軽い笑顔で注文を受けて立ち去る。
心菜、げんなりとした顔をする。

心菜(やっぱり、ただの自分勝手だ・・・。
   
さっきうっかり、ほんの・・・ほんのちょっとだけ、ときめきそうになってしまったけれど。
ときめく寸前でよかったよかった。
相田さんにときめくとか、一生かかってもないもんね!!)

心菜、やけくそのように残りのウーロン茶を飲む。




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