素直になれたら
相田「なにがいいかわかんないから。とりあえず、食えそうなものと、よさそうなものと、明日の朝の」

ミニテーブルの上には、パンやヨーグルト、サラダにゼリー、栄養ドリンク、熱冷ましシートやのど飴が並ぶ。
驚いている心菜。

相田「熱がありそうとかは」

心菜「な、ないです」

相田「そうか。じゃあ、今日こそ早く食って早く寝ろ。一口だけでも。とにかく食え」

心菜「は、はあ・・・」

あっけにとられている心菜をよそに、相田は買ってきたものを冷蔵庫にしまっている。
      
心菜(なんか、お母さんみたいなんだけど・・・。
親切なの?自分勝手なの?
なんか、よくわからない・・・)

相田は冷蔵庫のドアを閉めると立ち上がり、

相田「なんかあったら連絡してこい。別に、夜中でもいいから」

心菜「え・・・あ、は、はい」

相田「明日も、無理だったら休んでていい。明日は午前中番組見学だけだしな」

心菜「はい・・・」

呆然と相田を見上げる心菜。
相田は、心菜をじっと見下ろすと、ボサボサの髪をさっと直す。

心菜(!?)

驚いて固まる心菜。
相田は、何事もなかったように平然と部屋を出て行く。

心菜(な・・・なんなの!?)

心菜は、直された髪の部分に手を当てる。
驚きと、怒りと、恥ずかしさがごっちゃになったような真っ赤な顔。

心菜(お母さん?上司?ただの世話好き?おせっかいの自分勝手・・・?)

混乱した様子の心菜、相田が出て行った部屋のドアを見つめる。




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