素直になれたら
○ネットカフェ・外観(夜)

きらびやかに装飾された、5F建てのアミューズメント施設。
3F部分の壁に突き出た看板に、「ネットカフェ」の文字。

○同・入り口付近・中(夜)

入ってすぐの場所に受付がある。
すぐ後ろ側には、漫画がぎっしり詰まった本棚がずらっと並んでいる。
壁にはたくさんの個室が並んでいる。
本棚スペースには店員以外のひと気はない。
心菜と相田、入り口で受付をしている。
希望の部屋を店員に聞かれている二人。

相田「オレはこの部屋がいいけど。おまえは女性専用のがいいんじゃないか」

心菜「そうですね・・・」

心菜、カウンターのインフォメーションメニューを見て悩んでいる。

心菜「女性専用エリアにも、漫画はたくさんありますか?」

店員に真面目に尋ねる心菜。
相田は横で「ブッ!」と笑う。

店員「そうですね、フリーエリアに比べると量はちょっと少なめですが・・・。でも、女性のお客様はフリーエリアにもカードキーで自由に出入りできますので、読みたいものがあったら、フリーエリアにお越しいただくことができますよ」

心菜「そうなんですね。じゃあ、そうします」

店員「かしこまりました」

店員は、相田と心菜にカードキーの入ったネックストラップを渡す。
受け取って、カードキーを首に下げる心菜と相田。
心菜は嬉しそうな顔をして、

心菜「それじゃあ、相田さん、また明日」
   
頭を下げ、早速漫画を選び出そうとする心菜。
相田は笑う。

相田「なんかあったら電話しろ。明日は、朝10時には出るぞ」

心菜「はい!また、朝になったら連絡します」

いそいそとその場を去る心菜。
その後ろ姿を穏やかに見つめる相田。



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