素直になれたら
○ネットカフェ・フリースペース(夜)

シャワーを浴び終え、髪をまとめてさっぱりとした顔の心菜、
本棚を回って漫画を選んでいる。
本棚の角を曲がったところで、相田と出くわす。

相田「あ」

心菜「わっ」

お互いに驚く心菜と相田。
心菜は相田の手にある漫画本を見て、

心菜「あ、それ、三巻ですね!私、その漫画一巻からちゃんと読みたくて。どこにありましたか?」

相田「は?これ?・・・ずいぶんグロいやつ読むんだな・・・」

難しい顔をする相田。
心菜はむっとする。

心菜「グロいけど、いい話じゃないですか。感動ものですよ」

相田「まあ、そうだけど。・・・っていうか、おまえシャワー浴びただろ。普通来るか?湯上がりにこっちのエリア」

心菜をにらむ相田。
心菜ははっとなって両手で眉毛を隠す。

心菜「ま、眉毛がないのはわかってます・・・」

相田、あきれたようにため息をつき、

相田「・・・じゃなくて。こんな時間だし、へんな奴いるかもしれないだろ。個室に連れ込まれたらどうすんだ・・・」

心菜「え」という顔をしてから、「ああ」と察したような表情になる。

心菜「大丈夫ですよ。お店の中だし、防犯カメラついてるし。なによりこんな、眉毛もないし・・・」

うつむく心菜。  
相田は怒った顔をして、
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