素直になれたら
相田「そういう匂い振りまいて?眉毛とか関係あるか」

どこか、色気のある表情で怒る相田。
心菜はドキッとする。

相田「・・・とにかく。読める分だけ全部持ってけ。そんなに客はいなそうだし、多分、独り占めして平気だぞ」

相田は、近くの棚からシリーズの漫画本15冊を全部手に取り、心菜に渡す。
その際、自分の持っていた三巻も一緒に渡す。
ずしっとした重みに耐える心菜。

心菜「え。三巻は、相田さんがこれから読むんじゃ」

相田「いい。三巻を求めておまえがまたその格好でここにくるなら、オレは読まない方が安心だ」

心菜「は、はあ・・・」

漫画本を持ったまま、いいのかな、といった様子で戸惑う心菜。
相田はイラッとした顔をする。

相田「じゃあ、朝までにそれ全部読め。それでオレに電話しろ。そしたらすぐに取りに行くから。オレはそこから、10時までに全部読む」

心菜(えーーー!!)

心菜「む、無理ですよ!!」

相田「無理じゃねえ。いいからさっさと向こう行け!」

客の男性が、フリーエリアに現れた事に気づいた相田は、せかすように心菜を怒る。
相田にキツくにらまれて、心菜は恐怖の顔をする。

心菜「は、はい!行きます!!」

漫画本を抱え、慌ててフリーエリアを出て行く心菜。
女性専用エリアに入って行くまで、ため息をついて見守る相田。

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