素直になれたら
相田「悪い。おまえの性格忘れてた」

心菜「・・・かなり、頑張りましたよ・・・。おもしろかったけど」

ふてくされてうつむく心菜。
相田は、心菜の髪をくしゃっと撫でて、

相田「ごめん」

甘い声音にドキッとして、顔を上げる心菜。
優しい顔で見下ろす相田と目が合って、ドキッと胸を震わす心菜。

心菜「あ、え、えと、あの・・・」

自分の気持ちに戸惑いながら、落ち着きがなくなる心菜。
相田はその様子を少しだけ気にした後、気持ちを切り替えるように、

相田「・・・なんか、飲むか。コーヒーでも」

ぼそっと告げられ、心菜も気持ちを誤魔化すように「はい」と頷く。

心菜「じゃあ・・・あ、ソフトクリームも食べようかな」

相田「はあ!?こんな朝っぱらから?馬鹿か」

あきれ顔の相田。
いつもの相田に戻った様子。
心菜も一気に普段通りの顔に戻って、

心菜「い、いいんですよ!甘いもの食べたいし。本読むのって、結構頭使うじゃないですか」

相田「・・・漫画だけどな」

あきれながらも笑顔の相田。
心菜は、少しむっとしながらも、なんとなく可笑しくなって「ふふっ」と笑う。

相田「・・・なんだ。気持ち悪い」

心菜「なんでもないです」

心菜(・・・なんだろう。なんだかちょっと、楽しいかもしれない。
これってなんだろ。
疲れてハイになってるの?
相田さんと一緒にネットカフェとか、絶対考えられなかったけどーーー・・・)

チラリと相田を見る心菜。
「なんだ」と不思議そうに心菜を見下ろす相田と目が合う。
心菜、少し顔を赤くしてぱっと俯く。

心菜(・・・うん。まあ、そうだな。
とにかく、いつもと違う状況の、寝不足のハイテンションだな!)

うんうん、と、心の中で自分を納得させている心菜。
相田はそれを怪訝そうな顔で見て、

相田「・・・なんかよくわかんないけど。おまえは、食うなら食ってもう一回寝ろ」

心菜「あ・・・はい!」

あきれ顔で歩き出した相田を追う心菜。
その心菜の顔は、ときめくように明るいものだった。
      
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