片翅エデン
 学校という場所は狭い鳥籠だ。


 自由に飛ぶこともできなければ、個性だけでは生きられない、そんな場所。



“あなた変わってるよね”



 そうーーだから、私は生きられないのだ。



 教室にいたくなくて、雨の降らない日は屋上、それ以外の日は図書室で時間を潰している。



 いつものように屋上へと続く階段を駆け上がる。ふと不思議に思う、扉が少しだけ開いている。

 ドアノブに手をかけ、ゆっくりと開く。


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