独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
「峰島(みねしま)先生……」
口の中でつぶやいて、もう一度彼を見下ろす。
エクステでもしているのかと疑いたくなるほど長いまつ毛に、まっすぐの鼻梁。露出した肩から腕にかけて、筋肉の筋が浮いている。職場ではお目にかかることのない素肌を目の当たりにして、彼の方も衣服を着ていないことを悟った。
朝起きたら同じベッドに裸の男女。おまけに私の体には、泥に埋まった後みたいな気だるさが残っている。
こんなの、完全に事後じゃない。
嘘、待って。
なにがどうして?
混乱状態に陥りながらあたりを見回すけれど、そこは見慣れた自分の部屋で、隣に男性が寝ていることを除けばいつもと変わらない土曜日の朝だった。
「夕べは……確か」
寝ぼけている脳に鞭打つようにして、どうにか記憶をたどる。