独占欲強めな弁護士は甘く絡めとる
午後六時。定時は過ぎているけれど、キリのいいところまで続けたい仕事がいくつか残っている。今買い物をしに外に出たら、そのまま帰りたくなってしまいそうだ。
あきらめて上の戸棚からコーヒーの粉を取り出そうとしたとき、背後から伸びてきた大きな手に阻止されるように右手を押さえられた。
驚いて振り返ると、王子様のように整った顔が目に入る。
悲鳴を上げそうになり、慌てて笑みを浮かべた。
「み、峰島先生……お戻りだったんですか」
午後から外出だった彼はつまらなそうな顔で私を見下ろすと、じりじりと体を寄せてきた。シンクを背に逃げ場がないまま大きな体に追い込まれる。
「え、あ、あの」
キスでもするのかと思うくらい至近距離で見つめられて、のけ反るように身を引いていると、彼はぼそりと言った。