一夜からはじまる恋
まぶしいっ!思わず目を閉じて手で両目を覆うと
「すみません」
とライトがよけられた。
樹が相手を見ようとすると目がくらんでしまってよく見えない。
「企画部の双葉と申します。」
見えにくい目の変わりに樹が名乗ると
「あ」
と相手の男性社員が声を上げた。
あ?
何度か瞬きをする樹のそばに足音が近づいてくる。

再び目を凝らして相手を見ると
「また会いましたね。高瀬です。高瀬湊。」
そこに立っていたのはヒールを履いている樹よりも頭一つ分大きい湊だった。
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