一夜からはじまる恋
「どのメニューがおすすめですか?」
樹の言葉に湊はくもった表情を笑顔に変えた。
「オムライスと桃シャーベットとオレンジジュース」
樹も笑顔になる。
「残しちゃうかもしれないけど、頼んでもいいですか?食べてみたいです。」
「もちろん!」
湊は張り切って店員を呼び同じメニューを二人分頼んだ。

「樹の好きな食べ物は?」
「・・・桃です」
「ちょうどよかった。」
「湊さんは?」
樹が初めて自分を名前で呼んだことにくすぐったそうに微笑みながら湊は
「オムライス。卵はとろとろでケチャップ味の。」
と答えた。
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