一夜からはじまる恋
二人は初めてゆっくりとお互いのことを話した。
「部活やってた?」
「吹奏楽でした。湊さんは?」
「バスケ部。」

「大学の学部は?俺は医学部」
「私は教育学部でした。」
「教育?」
「保育士と幼稚園教諭と小学校の教員免許持ってるんですこれでも。」
「そうなんだ。」
お互いに知らなかったことをたくさん知る時間でもあった。

時々会話が途切れると湊はひまわり畑の迷路で遊ぶ親子を目で追っていた。

そんな湊の目線の先に樹も気づいている。
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