一夜からはじまる恋
樹のアパートが近くなると湊が話し出した。
「なんか、うまくできなくてごめん。」
「?」
「もっとうまくやりたかったんだけどさ。だめだな。考えすぎてわからなくなってさ。」
「うれしかったですよ?すごく考えてくださったことが伝わりました。ひまわりもきれいで、オムライスも桃シャーベットもオレンジジュースもおいしかったです。」
「そっかな。デートしてよかったって思ってもらえた?」
「はい。」
即答する樹に湊は
「はぁ~よかった~」と無邪気に笑った。

そんな会話をしていると樹のアパートについた。
「それじゃあ」
と樹が助手席のドアを開けて外へ出ると湊も車から降りた。
「ここで大丈夫です。」
と声をかける樹に湊は後部座席から何かをガサゴソと出した。
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