一夜からはじまる恋
「考えます・・・。」
「・・・わかった。」
樹は答えを出せずあいまいな返事をした。その言葉にぎこちなく微笑む湊の表情に樹の罪悪感は増した。

「何かあったらすぐ連絡して。」
「はい。ありがとうございました。」
その場の空気にいたたまれず樹は頭を下げて部屋に戻った。


小さなひまわりが咲く湊からのプレゼントの鉢植えを抱きしめながら唇をかみしめた。

湊は樹の部屋の前でしばらく立ち尽くしていた。
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